2010年02月18日

林静一「赤色エレジー」フランス語版(Cornelius)

 林静一さんの「赤色エレジー」がまもなくフランスで発売になります。
 先月のアングレームフェスティバルでも大好評だったというこの作品。
 滞在中にパリのポンピドゥ・センターで行われた講演の模様の英語訳も、こちらで読めます。

 アングレームへは、2005年に辰巳ヨシヒロさんが参加。



 2009年には平田弘史さんも参加しました。

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 林さんの今回の参加はオルタナのルーツとしての劇画系作家のアングレーム訪問としては三人目。辰巳さん、平田さんが参加したことにより、海外の読者はまず貸本劇画について興味を持ち、次に林さんが参加して「ガロ」について語ることで、劇画の大まかな流れは、少しずつではありますが正しく理解され始めているように思います。
 さて、今回の「赤色エレジー」フランス語版ですが、これまでの本と決定的に違うのは、本文が黒と赤のオール二色で印刷されていること。もちろん、初出を含めてこの作品が二色で印刷されたことはありません。1970年から1971年にかけて「ガロ」に発表されたこの作品は、原稿にスクリーントーンを貼ってあるのではなく、アミ部分はすべて著者の製版指定によるものです。そのことを知ったコーネリウスのジャンルイが、「だったら薄アミ部分をドットではなく、特別な色を使って印刷したい。その方が絶対に美しい」ということになり、色も赤色で印刷することになりました。
 ただこのフランス語版が決定的に違うのは、最終的に色版を指定する際に、元々の林さんのアミ指定ではなく、フランス語版独自のカラーリングにしていること。どういうものに仕上がるか若干不安でしたが、仕上がった本を見て安心しました。自身もマンガ家で過去にシルクスクリーン作品を製作していた経験もあるジャンルイだけに、二色で印刷された「赤色エレジー」は元版のクオリティはそのままに、原作をすでに読んでいても随所にハッとするようなインパクトが加わり、名作に新たな生命を与えたと思います。(浅)

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posted by 青林工藝舎 at 12:09 | TrackBack(0) | 海外版
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