2009年12月07日

「どくだみ荘」仏語版、アングレーム大賞候補に!

 先日フランス語版が発売された「どくだみ荘伝説」、版元の「黒蜥蜴」ステファンによれば、発売前のプロモーションの段階で評論家などから少なくない反響があったとのことで、あちらのネットや雑誌でもたくさん取り上げられています。「日本マンガ界のブコウスキー」とか、「ロバート・クラムの日本版」とか、巻末の年譜を読んで、作者の福谷たかし氏自身の生涯と絡めて紹介してくれているところも多いようで、早くも「続きが読みたい」という声が版元に数多く寄せられているとか。
 そんな中、2010年の1月最終週にアングレームで開催されるアングレーム国際コミックフェスティバルの大賞候補にノミネートされたとの知らせが! アングレームの公式サイトでも先週アナウンスが出てました。
http://www.bdangouleme.com/48-selection-2010-selection-officielle
 日本マンガの翻訳版としては他に間瀬元朗「イキガミ」、本宮ひろ志「まだ、生きてる」がノミネートされています。その他のノミネート作としては、「アックス」韓国オルタナ特集でも掲載した期待の星、アンコの作品がノミネートされているのが嬉しいですね。ちなみにこの本の版元は青林工藝舎のタイトルのフランス語版を多数出しているCorneliusです。
 日本マンガのノミネート作の中では、本宮氏の「まだ、生きてる」が、日本での一般的な評価とは対照的に高く評価されているらしいのがアングレーム独自というか、フランス独自のセレクトですね。通常の氏の作品からすると相当異色なこの作品は、定年を迎えた途端、家族に見捨てられ、山にこもって一人で生活しだす男、岡田憲三が主人公。そこが今の時代に合っていたのかもしれません。本宮氏といえばデビューは大阪日の丸文庫。「まだ、生きてる」は本宮作品全体の中に置いてみると相当異色ですが、「日の丸作家」としての括りで見るとむしろ納得。というのも、辰巳ヨシヒロ、平田弘史、山松ゆうきちといった一連の「日の丸ライン」に通じる“外れ者の系譜”を感じさせる部分が多々あるんですよ。
 そうした異色作がノミネートされた今回のアングレームのセレクションを見ると、「どくだみ荘」が選ばれたのもこの未曾有の大不況と無縁ではない気がしますね。実際、「普通ならとてつもなく暗くなってしまう題材を取り上げながら、主人公のヨシオはいつも明るく、ユーモアを感じさせる内容になっているところがいい」といった反響もあるようです。「黒蜥蜴」の公式ブログでは、「どくだみ荘」ノミネートに合わせ、プロモーション用に作られたどくだみアニメが公開中です。これまたよくできてます!
http://lezardnoir.blogspot.com/index.html
 見てわかる通り11月からの「黒蜥蜴」のブログ、「どくだみ」関連ばっかりですね〜! それだけ反響が大きいということでしょうか。
 それはそれとして、その他の海外版、平田弘史作品「無名の人々 異色列伝」スペイン語版と勝又進「赤い雪」英語版はとっくに出てるはずなのにまだ会社に届きません。送料ケチって船便で送ってるんじゃないだろうな。(浅)
posted by 青林工藝舎 at 18:12 | TrackBack(0) | 海外版
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