2015年08月10日

人生の深さを思い知る戸籍の旅。

 本日朝10時、阿佐ヶ谷に全員集合。故・香田明子さんの部屋から会社へ運ぶ荷物も、本日が最終。これまでちょこちょこと電車で運んでましたが、股旅堂の吉岡さんにレンタカーの手配&運転をしていただき、一気に運搬! 雨が心配だったけれど降られることもなく昼頃には終了! で、明日は弁護士さん立ち会いで業者が全部片づけてくれる手はずになってる。ああ、とりあえずこれで部屋を明け渡せる。スタッフの皆さん&吉岡さん、お疲れ様でした!

 午後、香田さんの部屋の鍵を返却に、東銀座にある弁護士事務所へ。地下鉄から地上に出ると、大雨が降った直後だったらしく、地面がやけに濡れていたけど、新宿区河田町は雨が降らなかったよ。
 東銀座は久しぶり。以前は南伸坊さんの事務所があったのでよく通っていたけど、今は別の場所に移られたため全然来てなかったので、さっそく良く覗いていたてぬぐいの大野屋といわて銀河プラザに。てぬぐいはすでにたくさん持っているので商品を堪能するだけで何も買わず。いわて銀河プラザでは桑の葉入りさしみこんにゃくと特売のぶっかけ松前漬を購入。弁当の辨松にもよりたかったけど、予算の関係でガマン。辨松の甘い甘い玉子焼きとつと麩煮が大好きなんだけど…、また今度にするか。

 前にも書いたけれど、今回の香田さんの件ではいろいろ勉強になったし、考えるところもたくさんありました。人ひとりの人生を遡って辿ると、シマトラの作品じゃないけどその「見えない物語」「語られざる人生」そして「誰にでもドラマがある」、ひとりの人間の物語の深さに感動したりとまどったり、と様々な感情がわき上がり、その重さたるや、想像以上でした。親族でもないのに、たまたまそういう役割になったことで貴重な体験をさせていただいたと思っています。

 最初はまず戸籍を洗い出さねばなりません。本当に身寄りはいないのかどうか、香田さんとご家族全員の出生届と死亡届、除籍謄本を取り寄せなければならないし、しかも香田さんは満州で生まれているので満州での出生届まで…。これがね、身内でないと取るのがもの凄く大変。でも仕事をしながらそれをやる時間もないので、知り合いの方に弁護士さんを紹介していただき、書類を全て揃えていただきました。
 で、これを裁判所に提出し、相続財産管理人の選出をしてもらいます。ここまで約4ヶ月かかりました。時間もかかるけどお金もかかる…。相続財産管理人はまた別の弁護士さんが選出され、その方が香田さんの財産を整理。で、今回やっと部屋を撤去出来るのですが、全て終了するにはあと1年かかるそうです。その1年の間に裁判所が広報で「この方の身内はいらっしゃいませんか?」と出すらしい。念には念を、ということですね。変な話、調べたら隠し子がいた、ということも良くあるそうです。で、何回か出して身内の方が出てこなかったら整理した財産の処分について裁判所が決定を下します。
 いや、ハッキリ言ってかなり面倒な作業です。しかもものすごい財産がある、というワケでもないので、えー、そんなややこしいことしなくても…、と思うのですが、そうはいかないのがお役所でして、なかなかきびしい。
 でも最初の弁護士さんも、今お世話になっている弁護士さんもとても良い方で助かりました。餅は餅屋とはよく言ったもんで、弁護士さんに頼まなければ、今頃途方に暮れて号泣してたかもしれません。

 お世話になった方とはいえ、まったく他人のご家族の戸籍の旅…。シマトラにマンガにしてほしいくらい、深〜い旅です。戦後、満州から引き揚げ、青林堂に入るまで、苦労続きだった香田さんの人生に、あらためて手を合わせたいと思いました。そして「戦争は絶対にしてはいかん!」ともつくづく思ったわけであります。

 というワケで、本日の夕食は、作業に来てる根本さんも一緒に、焼き魚(シシャモ)、かぼちゃ煮、桑の葉入りさしみこんにゃくを山葵醤油で、冷や奴+ぶっかけ松前漬(これすごく美味しかった!)、みそ汁(長ネギ・生わかめ・油揚げ)、ヨーグルト、以上でした。


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そしてこいつの犬戸籍はまだ川崎においたまま。はやく新宿区に移動してあげたい!
posted by 青林工藝舎 at 22:53| 日記